滅紫

松竹創業130周年「義太夫狂言三大名作一挙上演」第一弾「仮名手本忠臣蔵」ー三月大歌舞伎

松竹創業130周年を記念して義太夫狂言三大名作一挙上演というのは昨年からPRされていてどんな配役になるのかとても楽しみにしていましたが、何とA.・Bプロのダブルキャスト制。これまで当たり役としてきたベテランと若手花形という単純な分け方ではなく、絶妙な組み合わせでどちらのプログラムも見落とせず、気がついてみれば、全組み合わせを手配してしまい、今月は厳しい生活に耐えることとなりました。まず1回目昼の部はAプロ。「大序」から「三段目」「四段目」「道行」まで。Aプロの判官は勘九郎さん、由良之助は仁左衛門さん、師直は松緑さん、勘平は隼人さん、おかるは七之助さんという組み合わせ。仁左衛門さんがインタビューで「前回四段目の由良之助を演じた時の判官は十八世勘三郎さんで、今回はその長男の勘九郎君なので彼があの世でどう思ってくれるか楽しみです」と語っています。

昼の部のダブルキャストは判官「勘九郎・菊之助」、若狭之助「松也・右近」、師直「松緑・芝翫」、由良之助「仁左衛門・松緑」。夜の部は「五段目」「六段目」「七段目」「十一段目」で「五・六段目」の勘平は菊之助さんと勘九郎さん、斧定九郎は「隼人」「尾上右近」、おかるは「時蔵」「七之助」由良之助は「愛之助・仁左衛門」、寺岡平右衛門は「巳之助・松也」と全部お知らせしたいのですが。あとはご覧になってのお楽しみにとっておいてください。「仮名手本忠臣蔵」が通しで上演されるのは30年ぶりのことだそうです。(松竹のパンフ)

「四段目判官切腹の場」で、切腹間際の判官が由良之助の到着を今か今かと待ち構え、刀を突き立てたところへ仁左衛門さん演じる由良之助到着。固唾を呑んでいた客席は一気に花道の由良之助に集中。判官の傍らに進んだ由良之助と判官の演技と言葉少ないセリフに主従の厚い信頼感が溢れついついもらい泣き。

通称「落人」として知られる「道行」、は当世美男美女の隼人さんと七之助さんで、絡む伴内は巳之助さんが軽妙に演じます。重い悲劇の場の後に一転して華やかな道行と観客を退屈させない構成は人形浄瑠璃としての1748年の初演から280年近く上演され続けてきた理由が感じさせられます。

後半は来週のお楽しみ。

三月大歌舞伎の千穐楽は27日、18日は休演。お問い合わせはチケットホン松竹0570-000-489、チケットWEB松竹へ。

A,Bプロをお間違えなく。