2025 江戸の名残りを留める海村伝統芸能「佃島の盆踊」
7月13日~15日、佃1丁目の渡船場(佃の渡し)跡から佃小橋に通じる "佃1丁目中央通り(旧渡船場通り)" の道路中央に組まれた櫓の周りで、歴史と伝統を守る佃島盆踊りの会主催の「佃島の盆踊」が開催されました。(18:00~21:30) 佃地区に古くから伝わる海村伝統芸能の一つで、現在、盆踊りと言えば、宗教的意味合いは薄れ、夏の風物詩として、近代の盆唄に合わせた振り付けで、賑やかで威勢のよい「納涼盆踊り大会」が主流ですが、佃島の盆踊りは、単調な太鼓のリズムと哀調を帯びた口説き唄に合わせ、足を引き摺るような動きを右に左に、行きつ戻りつを繰り返す、ゆったりとした調子の、祖霊·精霊を慰める供養のための静かな踊りが特徴で、哀愁と無常感が漂ってきます。 踊り方に関し一説では、佃島への初期移住者集団は、本願寺教団の信徒でもあり、かつて織田信長との勝ち戦を喜んだ本願寺側軍師鈴木飛騨守が、負傷した足を引き摺りながら舞った踊りがルーツとされ、後年盂蘭盆会に踊り、先祖供養とするようになったものが、江戸にも伝播したと言い伝えられているようです。 佃まちかど展示館前に据えられた精霊棚は、川面からやってくる無縁仏を迎える為の設えと聞きます。脈絡と継承されてきた民間信仰の無縁仏の供養と鎮魂の精神に改めて心が打たれます。 後半の大人の部(20:00~)に先立ち、前半は子供たちの踊り(~19:30)で、浴衣姿の子供たちが先達のリードのもと、櫓の周りを左回りに行きつ戻りつ「コラ、ヤートセー、ヨーイヤナ、コラショイ」と囃子詞を返します。踊りが終わると参加した子供たちにはお菓子の引換券が配られ、佃まちかど展示館前のテントに整列し、菓子袋を受け取る笑顔が印象的です。
オフィシャル