桜やよい

日本橋コレド2TOHOシネマズ日本橋『国宝』
を鑑賞して、日本橋の旦那衆と歌舞伎座出演
との江戸時代からのつながりに感銘!

 

桜やよいのマイ映画館は『TOHOシネマズ日本橋』です。

歌舞伎の世界をえがいている話題沸騰中の『国宝』を鑑賞後、迫力ある演者の様に心を揺さぶられて席をすぐ立つことができませんでした。

 

〇吉田修一原作『国宝』は、歌舞伎の世界に自ら黒衣を纏って楽屋に3年間の経験をもとに書き上げられた渾身作である。

〇インストーリーは公式サイトによると、任侠の一門に生まれた主人公喜久雄が、上方歌舞伎役者の家に引き取られ、国宝になるまでの50年の壮絶な一代記である。

〇俳優陣も豪華である。喜久雄のちの花井東一郎を吉沢亮・ライバルの息子俊介のちの花井半弥を横浜流星・俊介の父の名門歌舞伎役者花井半二郎を渡辺謙が演じている。歌舞伎役者は中村鴈二郎のみ出演、後は層々たる俳優がしっかり脇を固めている。

 

江戸時代初期から、歌舞伎は中央区の日本橋の魚河岸の旦那衆とも深いかかわりがあったことを『東都のれん会』の「大旦那のちょいといい話」から知ることができました。

『日本橋歴史アーカイブス』全体企画・デザイン担当・ガイドの新野圭二郎氏からの情報でした。

8月30日(土)13時-15時にガイドをする予定だそうです。

ご都合の付く方は、ご参加ください。

 

 

『東都のれん会』とは江戸から明治初期にわたり、同業で継続、現在を盛業の店の集まりだそうです。

 

『東都のれん会』のブログより、ご紹介します。

平成22年4月末、「さよなら公演」最終演目『助六由緒江戸桜』に山本海苔店の山本泰人氏(現区長)・榮太樓總本鋪の(故)細田安兵衛氏・大野屋總本店の福島康雄氏のお三人が浄瑠璃「河東節の語り手」として出演した記事でした。

 

〇この演目はプロではなく、ご贔屓筋のお連中が演奏することが江戸時代からの習わしだった。

〇芝居は江戸で生まれ広まった河東節の語りで始まり、『江戸随一のいい男・助六』もこの調べに乗って登場。

〇三浦屋の御簾の内側で旦那衆の河東節を唄う場所である。

〇『助六由緒江戸桜』は、今回市川海老蔵(現13代團十郎)が最初に口上で「なにとぞお始めくださりましょう」と言葉で河東節ご連中の謡が始まる。

〇「河東節十寸見会」の三味線と語り、約50人での演奏。

(老舗の旦那衆は減少してきている)

〇御簾の中から豪華絢爛な揚巻・玉三郎の衣装や下駄の音も高らかに見得を切る助六・團十郎(故12代)や客席の様子もよく見える。

〇日本橋魚河岸と歌舞伎の関係は江戸時代から令和の時代まで「ご贔屓筋」の文化を受け継いでいる。

〇魚河岸の旦那衆は、助六の紫色の鉢巻きと下駄を江戸時代から現在まで贈り続けている。

〇舞台の前に「声出し」後、舞台出演の「おゆるし文」をいただくしきたりもある。

 開演前、旦那衆の楽屋に團十郎・海老蔵がご挨拶に見えました。

 

市川家とのつながりは深く、歌舞伎座の「さよなら公演」の最終日にも出演することで、4期歌舞伎座の最後に立ち会う醍醐味を味わうことができたそうです。

東都のれん会  大旦那のちょっといい話 【旦那衆、「歌舞伎座出演」の巻】より

 

 

TOHOシネマズ日本橋での『国宝』上映スケジュールはこちらからご確認できます。

https://eiga.com/movie-theater/101370/13/130716/3258/

まだご覧になられていない方は是非、足をお運びください。

 

        大旦那のちょいといい話「老舗当主の襲名」

        大旦那のちょいといい話「老舗当主の襲名」 日本橋コレド2TOHOシネマズ日本橋『国宝』
を鑑賞して、日本橋の旦那衆と歌舞伎座出演
との江戸時代からのつながりに感銘!

 

大旦那の河東節などのたしなみは江戸時代から何代にも渡って継承されてきたことは、お店の襲名を継いできたことにも反映しています。

歌舞伎役者も襲名によって、名跡を継ぐことでその名にふさわしい役者に成長し、芸や技の真髄を伝えていきます。

江戸時代からの古い商家が先祖代々の名跡を受け継ぐために店と戸籍を変える「改名」を行っています。

店の繁栄と継続を願い、歴史の重みと誇りが伝わってきます。

先程の「榮太樓總本鋪」細田安兵衛氏・「山本海苔店」山本德治郎氏

 

東都のれん会  大旦那のちょっといい話 【老舗当主の「襲名」】より

 

榮太樓總本鋪

榮太樓總本鋪 日本橋コレド2TOHOシネマズ日本橋『国宝』
を鑑賞して、日本橋の旦那衆と歌舞伎座出演
との江戸時代からのつながりに感銘!

 

〇日本橋南詰に創業江戸時代1818文政元年に初代が青山で「井筒屋」という小さな煎餅店を開業。

〇207年の歴史があり、3代目の細田安兵衛が今の場所で独立店舗を構え、幼名栄太郎にちなんで『榮太樓』に改号。

〇文久年間に生まれた名物が「梅ぼ志飴」、今も愛されている商品。鍋でじっくり丹念に炊き上げ、なめらかな金平糖がベースで秋の来ない甘さが身上。「梅干し」をとって名づけたところが「江戸名物にふさわしい!」と江戸っ子たちに大評判になった。

〇5つのブランド

①「日本橋榮太樓」

②「あめや えいたろう」で新しいコンセプトでリップスティック式の新チューブ式タイプの斬新な飴を伊勢丹新宿店・銀座三越店で限定発売!もちろん榮太樓總本鋪は本店ですので、購入できます。

③「にほんばし えいたろう」

④「からだに えいたろう」

⑤「東京・日本橋 ピーセン」

 

〇江戸の洒落っ気、榮太樓の生菓子「名代金鍔」「黒豆大福」「豆々也」「甘名糖」「玉だれ」など美味しい和菓子が沢山あります。

〇日本橋の3老舗のコラボでの新商品が誕生!『日本橋餅』

 ・にんべんの鰹節だしをあわせ、とろりと仕立てたみたらしだれ

 ・山本海苔店の香り高い有明産海苔

 ・コシがありながらも歯切れのよい榮太樓の餅

老舗の自慢の素材を結集した新商品は、新たな日本橋名物としての手土産にお勧め!

 

〇カジュアルな和菓子を楽しめる喫茶室では、榮太樓あんみつパフェ・日本橋あんバタートーストも楽しめる。

東都のれん会 老舗のコンシェルジュ【第四十二回】 より

 

実演コーナーもありますので、是非ゆっくりお店で榮太樓の和菓子をお楽しみください。

 

榮太樓總本鋪ホームページ

https://www.eitaro.com/

 

               山本海苔店

               山本海苔店 日本橋コレド2TOHOシネマズ日本橋『国宝』
を鑑賞して、日本橋の旦那衆と歌舞伎座出演
との江戸時代からのつながりに感銘!

 

1849嘉永2年、今のお店の場所に創業した海苔の老舗です。当時の副社長の山本泰人さん(現中央区長)がインタビューに答えてくださっています。

〇1923大正12年関東大震災まで、江戸ー東京の魚河岸は日本橋にあった。

魚や貝、海藻が全国から集められ、競り落とされる場所で初代は店を開いた。

〇702年発布された『大律律令』に海苔が租税の対象に記載されている。

〇8世紀初頭に発行された地誌『風土記』にも海苔の記述がある。

〇1300年以上前には、海苔が食用を目的に採取されている。

〇17世紀になり江戸時代の江戸で、和紙をすく要領で薄く伸ばして乾かした板海苔が発明される。

〇江戸前の海、東京湾で海苔養殖をして板海苔に加工して保存しやすく、食べやすくした。

〇現代の海苔の生産地は佐賀県有明海海苔が生産量・品質共に全国1位。

日本一の銘柄は『有明海一番』と呼ばれる海苔を『山本海苔店』が全部買い取っている。

〇『山本海苔店』のステータスは最高の海苔をお客様に提供することを目指している。

〇海苔の品質は色・つや・形・風味で見極めるが、『山本海苔店』が重視しているのは、口どけの柔らかさだそうである。

〇海苔は口に入れたら、すっと溶けることが肝心。溶けてこそ、口の中に香りや味も広がる。

〇『山本海苔店』の丸に梅のマークは、梅のつぼみが膨らんでくる頃に海苔が美味しくなり、「梅も海苔も、香を尊ぶもの」というところから商標にした。

〇真っ黒な光沢のある海苔がいい海苔だと誤解されているが、かたく、いつまでも口に残るものが多い。

〇海苔はミネラルやビタミン。葉酸・食物繊維も豊富な健康食品なので、外国の人にも食べてほしい。

海苔は乳製品と相性がいいので、海苔バタートーストが美味しい。

〇30年前から新製品の開発をしている。


海苔入りチーズ・海苔佃煮をフリーズドライしたスナック菓子『のりキューブ』・『のりチップス梅・玄米・ごま・ゆずはちみつ』等

東都のれん会 老舗のコンシェルジュ【第五十六回】 より

 

シンガポールで『ゆずはちみつ』が人気でよく売れていることを知らず、ビックリしました。

インバウンドのおにぎりブームや海苔の入ったスナック菓子は、若い人にも人気だそうです。

 


山本海苔店ホームページ

https://www.yamamoto-noriten.co.jp/store/store-39/

 

              大野屋總本店

              大野屋總本店 日本橋コレド2TOHOシネマズ日本橋『国宝』
を鑑賞して、日本橋の旦那衆と歌舞伎座出演
との江戸時代からのつながりに感銘!

 

江戸中期(1772-1781)安永年間に、装束の仕立て屋として三田に創業。

1840嘉永2年、新富町に移転して170年の歴史の老舗足袋屋だそうです。

7代福島茂雄さんがインタビューに答えていらっしゃいます。

〇木造2階建てのお店は1923年の関東大空襲直後に立て直したので、築100年。

大正末期の町家建築として国の登録有形文化財になっている。

〇足袋が商品の中心。和装の肌着・ハンカチなどの和装雑貨を扱っている。

〇1872明治5年・1889明治22年歌舞伎座が完成。一般の客に加えて役者・衣装屋が贔屓筋となる。

5代目福太郎が考案。大野屋の足袋は、つま先をふっくら丸く仕上ているのが特長。

『新富型』この工夫で、足が細く小さく綺麗に見え、立ち振る舞いも美しく見える。

〇オーダーメイドの注文は、演目や役柄に合わせた注文が多い歌舞伎役者・俳優・歌手・アイドル・茶道の先生からは右足が傷みやすいので、右足だけ多く作ってほしいという特注もある。

〇珍しい発注は、スーパー歌舞伎『ワンピ-ス』の演目の金色の足袋を作成。

〇足袋の生地はすべて日本製、生地の裁断は型紙をセットし、一気に断つ。

〇足袋の縫製は、ドイツ製のミシンで熟練の職員が縫い上げている。

東都のれん会 老舗のコンシェルジュ【第八十九回】 より

 

大野屋總本店ホームページ

https://www.oonoyasohonten.jp/

 

 

 

日本橋・中央区を中心に、日本には100年以上の老舗がたくさんあります。誇れる老舗を守っていくだけではなく、伝統に甘んじることなくチャレンジ精神で改革しながらの歩みが素晴らしいと感じました。

 

歌舞伎を知らない方々を魅了した映画『国宝』、NHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」でも中央区は今まさに脚光を浴びています。

吉沢亮と横浜流星の2人が踊った「道成寺」の大鐘に登ったシーンは普段は見られないだけに感動しました。1年半かけての猛特訓の結果、2人の歌舞伎の女形の演技は素晴らしかったです。

歌舞伎に行く方も増えたり、浮世絵や蔦重本の売れ行きも良かったりと映画・ドラマ効果は如実に表れているそうです。

 

これからも2025年は日本橋・中央区ならではの魅力をどんどん発信していきたいです。