2025 秋の香りの使者 控えめで心地よい芳香「薄黄木犀」
漸う朝夕涼しさを覚え、虫の音が変わり、秋の気配が少しずつ感じられるようになり、季節の香りの使者である、樹皮が犀の皮膚似故に名付けられたとされるモクセイ(木犀)類の中で、比較的早く開花する「ウスギモクセイ(薄黄木犀)」の出番到来です。 ウスギモクセイは中国原産のモクセイ科モクセイ属の常緑小低木で、葉腋に薄黄白色の4深裂した花冠の小花を束生し、控えめ乍ら、香りを構成する成分の一つとされるリナロールはラベンダー等にも含まれ、心落ち着く爽やかでフローラルな芳香を放ちます。 近縁種の狭義の「モクセイ(木犀)」を指す白色花の「ギンモクセイ(銀木犀)」と、橙黄色花で、甘く芳醇な強い香りを放つ、「キンモクセイ(金木犀)」の丁度中間の色合いと香りを有する印象です。 雌雄異株乍ら、キンモクセイは日本には雄株しか存在しないと言われ結実せず、挿し木あるいは取り木で増やすと聞きますが、ウスギモクセイは雄株と雌株が揃い、閉花後翌年、オリーブに似た楕円形の果実を実らせます。 浜離宮恩賜庭園 花木園に植栽されているウスギモクセイが、ふんわりと優しく、程よい甘さで、心地よい香りを漂わせています。
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