北斎を食べる!観る!楽しむ!
「ぜんぶ北斎のしわざ」展に急いで
浮世絵大好き、佃在住「よこやん」です。
今回は、浮世絵が目でも舌でも楽しめるお話。
みどさんの記事にもありましたが、京橋TODA BUILDING6階にある「CREATIVE MUSEUM TOKYO」で、ただいま葛飾北斎の一大展覧会が好評開催中です。
展覧会詳細を取材できたのでご紹介します。
まだの人、圧巻の展示ですのでぜひ行ってください!
特に、ちょっとでもイラストや漫画を描いたことがある方、あと食いしん坊の方、必見です。
北斎は巨大プリントがよく似合う
みてください、この迫力!
葛飾北斎『富嶽百景』二編 浦上蒼穹堂蔵
この展示は、絵手本『北斎漫画』全15巻や曲亭馬琴と作った『椿説弓張月』などの読み本、富嶽百景全編102図、初公開の肉筆などを中心に葛飾北斎の作品を集めており、総数400点以上の大ボリューム。
北斎の絵は大胆な絵作りと細かい書き込みが多く、巨大なプリントで展示すればするほど良さが際立ちます。
「HOKUSAI−ぜんぶ、北斎の仕業でした。展」展示風景 CREATIVE MUSEUM TOKYO、2025年
「CREATIVE MUSEUM TOKYO」の持つ高い天井はまさにうってつけで、その良さを活かしたダイナミックな展示になっています。
これは観ていて楽しい!
爆発・光線・格闘・タテヨコ自在
江戸っ子は昔から少年ジャンプ好き?
葛飾北斎『新編水滸画伝』巻之一 浦上蒼穹堂蔵
上の絵は、「水滸伝」で封印されていた108つの魔星が一斉に解き放されてしまったシーン。
え?ジャンプ新連載の見開きですか?
これを描く方も読む方も、センスはもう現在と同じですよね。。。
(左上から時計回りに)『新編水滸画伝』巻之四十九 『山椒大夫栄枯物語』五編 『繪本武蔵鐙』 『和漢繪本魁』 いずれも葛飾北斎 浦上蒼穹堂蔵
船が岩にぶつかる衝撃、光が四方に溢れ出る様など、実際はこうじゃないんですがそう見えたんじゃないかと思わせる説得力。擬音がついていたらもうコミックです。
そして下段は大胆なページの使い方。江戸版タテヨミまんがデスカ?
しかも滝の水の表現がもう天才(ため息)
あらゆるものを絵に描いちゃう北斎
江戸版ポーズ集はいかがっスかー?
(左上から時計回りに)『北斎漫画』三編 六編 『三体画譜』 『北斎漫画』十一編 いずれも葛飾北斎 浦上蒼穹堂蔵
『北斎漫画』は、北斎に絵を教えてもらいたい人向けに作った手本集です。
この絵が実に上手い。人の体の位置・ひねり、重心の置き方。大変参考になります。
さらには植物や他の生き物も描けるし、メカ(鉄砲)だっていける。
なお展示では、踊りのポーズ一連をコマつなぎにし、アニメのような動画にしてオンエアしています。
というか、ぜんぜん普通にアニメでした。愕然。
葛飾北斎『一筆画譜』 浦上蒼穹堂蔵
北斎さんは
「一筆書きで描けるようになったら一人前だよ」
とおっしゃっていたらしく、そのお手本もありました。
一筆書きで、動きまで表現している次元の高さよ。みんなひたすらこれを真似て描いてたんだろうなぁ。
葛飾北斎『富嶽百景』三編 網裏の不二 浦上蒼穹堂蔵
『富嶽百景』は、北斎が富士図の総決算として描いた最高傑作。
その中で、私のイチオシはこれですかね。
魚網越しに富士山を描くなんて、やってくれるじゃないですか!
今展示は点数が非常に多く、しかもかなりバラエティに富んでいるので、私は音声ガイドの利用をお勧めします。
見どころが分かりやすくかつ面白い作品をピックアップして解説してくれるので、大量の展示物で気持ち的に迷子になることなく楽しめると思います。
ガイドは日テレの森富美アナ版と、King & Prince髙橋海人版があります。
私はキンプリ髙橋くん版を選んでみましたが思いの外よかったです。彼、結構アートへのセンスがいいですね。
併設カフェでは北斎食堂オープン
カレー・蕎麦・オムライス他by北斎
(左上から時計回りに)『北斎ブルーオムライス』『富嶽三十六景 神奈川沖浪裏蕎麦』『幾何学模様のばらちらし』『江戸スパイスカレー』
実はこのカフェメニューが一番度肝を抜かれました。
もし北斎が食堂を開いたら?という設定で考えられたメニューなんですが、独創的。
青いオムライスですよ。。。好奇心の前にまず恐怖が来ました(笑)
(左から)『北斎抹茶ラテ』『海上の不二クレープ』『美人画パフェ海上の不二』
デザートとドリンクも凝ってます。
それぞれ綺麗で、とっても繊細でした。
全部食べてみたかったんですが、ダメ、太っちゃう。
(これは北斎ちゃう、甘味やぞ!)
北斎抹茶ラテは絵柄が3種あり、どれになるかはお楽しみ、でした。
神奈川沖浪裏はよくできてました。作るの大変そう。
さて、実食タイムです。
一体何をオーダーしたでしょうか?こちらです!
「北斎のしわざバーガー」(左)と富嶽クリームソーダ・お茶請けゼリー付き(右)でした。
バーガーは鱈のフライを挟み、青色は実はマヨネーズだったりします。
ちょっとした隠し味が入っていて上品。美味しかった。
ゼリーにはちゃんと雪が乗っててかわいい。
ソーダは勿体無くて掻き回せないですけど、やらないと最後に激甘で飲むことになります。気をつけて(経験者談)
あと、展示場出口ではさまざまな北斎コラボグッズありました。
こちらの館長が元スヌーピーミュージアム館長だったそうで、『PEANUTS』&『北斎漫画』オリジナルコラボグッズもたくさん。
それ以外にもCHUMSとか揖保乃糸とかいろいろ。
私は森永「ハイチュウ」の特別版「ホクチュウ」(5本セット)をゲット。
全部グレープ味だった(笑)
京橋にアートを
「京橋彩区」のTODA BUILDING
CREATIVE MUSEUM TOKYOの入っているTODA BUILDINGは、アーティゾン美術館を持つ隣のミュージアムタワー京橋と合わせて「アートと文化が誰にも近い街・京橋彩区」と呼ばれています。
TODA BUILDINGはビル自体も美しいですが、中に外にアートが溢れています。
中央区観光協会のわくわくツアーで、今年は紹介ツアーが何回かあり好評でした。
再販された際にはぜひどうぞ。
会場:
CREATIVE MUSEUM TOKYO
東京都中央区京橋1-7-1 TODA BUILDING 6F
TEL:050-5541-8600
開催期間:
2025年9月13日(土)〜11月30日(日)
開館時間:
10:00〜18:00(金土は〜20:00)
最終入場は閉館30分前まで
CREATIVE MUSEUM TOKYOは、オープン以来「鬼滅の刃」 柱展 や『僕のヒーローアカデミア』原画展などを開催。
京橋にはやや縁遠い若い層を、ARTで積極的に京橋にひきつけている意欲的な美術館だと思います。
今回は、今年のトレンドとなった浮世絵など江戸文化をとりあげつつ「アニメ」や「マンガ」の切り口でうまく訴求しており、狙い通り20代の若者が会場に多く見かけられたようです。
今後のさらにどんな展示を企画していくのか、楽しみです。
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