『仏壇・仏具の歴史館』を訪問しました
東京都中央区には、「中央区まちかど展示館」と呼ばれる小さな博物館が点在していることをご存じでしょうか。これは、区内の老舗企業や団体、商店などが、自らの歴史や文化、仕事の魅力を紹介するために公開している展示スペースで、現在29か所が登録されています。街を歩きながら気軽に立ち寄れるのが魅力で、中央区の奥深い一面に触れることができます。
今回は、その一つである、「仏壇・仏具の歴史館」を訪ねました。場所は銀座七丁目。老舗仏壇店・安田松慶堂の店内にあります。
安田松慶堂について
安田松慶堂は、銀座七丁目に店舗を構える、仏壇・仏具の専門店です。創業は、江戸時代中期の寛政四年(1792年)。200年を超える歴史を有するお店です。職人の技が結集した「東京仏壇」の品揃えは都内一だそうで、店内にはたくさんの仏壇や仏具が並んでいます。「仏壇・仏具の歴史館」は、そんな同店の二階に設けられています。
安田松慶堂外観
店内には、たくさんの仏壇・仏具が並んでいます
「仏壇・仏具の歴史館」と展示品
安田松慶堂が創業したのは、老中・松平定信による寛政の改革が行われていた時代です。天明の大飢饉の後で、倹約や道徳の立て直しが重視され、人々の暮らしは決して楽ではなかったと想像されます。その一方で、商人や職人を中心とした町人文化が成熟し、「信仰」「美意識」「実用」が暮らしの中で結びついていました。昨年放送されたNHK大河ドラマ「べらぼう」の時代といえば、イメージしやすいかもしれません。
それまで仏間を設け、立派な仏壇を置くことができたのは、主に武家や裕福な商家に限られていたようです。しかし江戸の発展とともに、家具職人等の技を生かした、庶民にも手の届く仏壇が作られるようになったそうです。そして、江戸末期には、安田松慶堂で、派手さを抑えながらも黒檀などの高級素材を用いた仏壇が考案され、人気を博すようになったそうです。
展示品には、こうした安田松慶堂ゆかりの品々が並んでいます。戦災により多くの資料が失われたため、展示数は決して多くはありませんが、いずれもお店の歴史を感じさせるものです。
安田松慶堂の歴史を伝える展示品
終わりに
銀座と聞くと、ショッピングやグルメを思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、少し視点を変えて歩いてみると、こうした歴史や文化に触れられる場所が点在しています。仏壇・仏具の歴史館は、中央区の文化と歴史を静かに伝えてくれる場所です。銀座散策の途中に、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。(2026年1月6日訪問、掲載許可済み)
仏壇・仏具の歴史館
住所:東京都中央区銀座7-14-3(安田松慶堂内)
最寄駅:
・東銀座駅4番出口 徒歩3分
・銀座駅A3番出 徒歩8分
・築地市場駅A3出口 徒歩4分
外部リンク
・中央区まちかど展示館
・安田松慶堂
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