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2026 春の訪れを告げる香りの使者「ニホンスイセン」

 2026 春の訪れを告げる香りの使者「ニホンスイセン」

 暦の上では立春を過ぎたものの、冬型の気圧配置が続き寒気の影響を受け冬へ逆戻りの印象もありますが、一般には、所謂「三寒四温」を肌で感じる日々が続くこの期に咲く植物のひとつが可憐な姿と爽やかな香りが特徴の「ニホンスイセン」。          スイセンはヒガンバナ科スイセン属の多年草。          通常スイセンといえばニホンスイセンを指すことが多いですが、スイセン属の総称としても使われます。              名前の由来は漢名の音読みとされ、中国では、山茶花、梅、蝋梅、と共に雪中四友に数えられています。別名「雪中花」。      原種は約30種あるとされ、作出された園芸品種は数多くあり、印象的な真ん中の副花冠の形状も、ラッパ状、カップ状、円盤状等々多種多様な表情を見せます。                   ニホンスイセンは、原産地の地中海地方からシルクロード、中国を経て渡来し、野生化したとされ、一本の茎から複数の花を咲かせる房咲きで、6枚の花被片(各々3枚の内花被の花弁と外花被の萼が類似)は白色、真ん中のカップ状の副花冠は黄色で、俯き加減に咲きます。                透明感のある仄かな甘さの中に、フローラルグリーンの香りが特徴とされ、リナロール、ベンゼルアセテートなどで構成される香気成分は、ストレス軽減効果を有するとの研究報告もあると聞きます。   阪神淡路大震災の被災地で、現上皇后陛下が皇居に咲いていたニホンスイセン17本を献花され、復興のシンボルとなったとの逸話もあります。                             隅田川中央大橋下流左岸沿いの親水空間の隅田川テラスを擁する佃公園では、ニホンスイセンがまだ肌寒い季節に凛として咲いています。