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2025 初秋を彩る野趣に富む蝶形花 秋の七草 "ハギ"

 2025 初秋を彩る野趣に富む蝶形花 秋の七草

 ハギはマメ科ハギ属の落葉低木の総称で、木質化して固くなるものの、年々太くなって伸びることはなく、冬、地上部が枯れる種類もあり、木本とは言い難い側面も併せ持ちます。         秋の七草の一つに数えられ、"クサカンムリ” に "秋" の字が当てられ、秋知草(アキシリグサ)とも呼ばれ、秋の季語になっています。        古から親しまれており、日本で最も古い歌集 万葉集で詠われた約160種の植物中、ハギの歌は最も多く、141首は歌中に、1首が題詞に記され、合計142首を数えます。               ハギの語源は諸説あるようですが、一般には、毎年古株の根元から芽を出すことから「生(ハ)え芽(キ)」転訛説が有力とされます。   秋の七草のハギを指すとされる「ヤマハギ」の他、「ミヤギノハギ」「ニシキハギ」「シロハギ」「マルバハギ」など約40種分布するとされますが、種が盗人の足跡に似ることから命名された「ヌスビトハギ」はヌスビトハギ属で別属です。   浜離宮恩賜庭園では、旧稲生神社前、ボタン園奥、延遼館跡、潮入の池周辺に見られますが、延遼館跡に生育するミヤギノハギは、枝先が地面に接する程枝垂れ、ブッシュのようなフォルムを成し、葉腋に花序をつくり、沢山の紅紫色の蝶形花を付け、汐留シオサイトの高層ビル群を背景に、秋の風情漂う野趣に富む景観をつくりだしています。                              マメ科の植物が食草とされる「ウラナミシジミ」が花々の間を俊敏に飛び回っています。翅裏は灰褐色で白い縞波模様が入り、後翅の縁に橙斑と黒点が見られるのが特徴です。