歌麿・写楽の浮世絵を見に蔦重ギャラリーへ行ってみよう
NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」 、最終回まであと3週となりドラマもいよいよ佳境を迎えています。
ドラマでは「ポッピンを吹く女」「寛政の三美人」「物思う恋」など喜多川歌麿の名作が毎週登場しており、次回から東洲斎写楽の大首絵も登場します。
上の絵は、歌麿の「歌撰戀之部 物思恋(かせんこいのぶ ものおもうこい)」です。小伝馬町の十思スクエアで5月から開館している「蔦重ギャラリー」では、「べらぼう」に登場した黄表紙、吉原細見、狂歌絵本などの複製本が多数展示されていますが、歌麿や写楽の浮世絵も多数展示されていて間近かで見ることができます。
ギャラリーの浮世絵はアダチ版画研究所が製作したもので、江戸時代の木版技術を継承する職人により刷られた復刻版です。江戸時代と同じ材料、同じ方法で製作されており、刷られたばかりの浮世絵はとても色鮮やかで、紙の上に乗っている絵の具の膨らみまで見ることができます。250年前の江戸の人々はこんなに鮮やかで綺麗な浮世絵を見ていたのだなと感じます。
「十思スクエア蔦重ギャラリー」については、以前にも紹介しましたが、「べらぼう」が終盤に入った今、もう一度、蔦重ギャラリーの浮世絵をご紹介します。
特派員ブログ:「十思スクエア蔦重ギャラリー」5月1日 オ-プン!」
十思スクエア蔦重ギャラリー
右は「蔦重ギャラリー」がある十思スクエアです。
旧十思小学校の校舎で、関東大震災後に建てられた昭和モダン建築です。曲線構造の正面玄関とアーチ窓がお洒落な建物です。
「蔦重ギャラリー」は2階。入口の暖簾をくぐって展示室に入ります。
ギャラリーの展示室は、壁に沿って作品が展示されています。
テーブルの上にはドラマに登場した吉原細見、黄表紙、狂歌絵本などが並べられ、壁には歌麿や写楽の浮世絵が展示されています。
歌麿、写楽の浮世絵を見る
展示されている浮世絵をいくつかご紹介します。
上は歌麿の名作「婦女人相十品 ビードロを吹く娘(ポッピンを吹く娘) 」と「当時三美人(寛政三美人)」です。古い浮世絵とは違って、刷られたばかりの浮世絵はとても色鮮やかです。着物や帯の柄まではっきり見ることができ、紙の上の絵の具の膨らみまでよくわかります。
下は「歌撰戀之部 深く忍恋」と「婦人相学十躰 浮気之相」。20cmの距離まで近づき間近で見ると、髪の生え際や眉毛まで繊細に描かれているのがよくわかります。女性の表情が何とも言えません。
下は写楽の名作「三代目大谷鬼次の江戸兵衛」と「松本米三郎のけはい坂少将実はしのぶ」です。眼、鼻、口、顔の輪郭が細い線で丁寧に描かれ、背景の雲母摺 (きらずり)が電燈の光を反射してきらきらと輝きます。
以上、蔦重ギャラリーの浮世絵をいくつか紹介しました。他にも多くの浮世絵を展示しています。
最近は概ね空いていますので、静かな室内でじっくりと時間をかけて浮世絵の鑑賞ができます。会場は落ち着いた雰囲気で、中央にはラウンジがあって、座ってゆっくり休憩もできます。
まだ行っていない方、歌麿や写楽の浮世絵の実物をじっくり見たい方、NHKドラマ「べらぼう」も終盤に差し掛かった今、「蔦重日本橋ギャラリー」に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
出典:浮世絵は全て蔦重ギャラリーで撮影
主催:蔦重日本橋プロジェクト
住所:日本橋小伝馬町5−1 十思スクエア本館2階校友会室
開館時間:月曜〜土曜10時~17時(日曜祝日 休館)
入場無料
※開催期間は2026年3月中旬迄を予定
オフィシャル