「洋傘の教科書」 発売
~ 小宮商店 ~
リモートで、愛する中央区をナビゲートします、rosemary sea です。
東日本橋の洋傘店、小宮商店さんは、特集 洋傘のことがわかる書籍「楽しく詳しく学べる 洋傘の教科書 1%以下の日本製洋傘のこと」を3月5日に発売されました。
今回はこちらをご紹介させていただきます。
株式会社小宮商店 販売・広報の加藤順子さんにお世話になりました。
「楽しく詳しく学べる 洋傘の教科書 1%以下の日本製洋傘のこと」出版の背景
誰もが一度は使ったことのある傘。
その中でも日本で職人によってつくられる「日本製洋傘」の割合は、現在日本で流通する洋傘のうち、わずか1%以下となっています。
そこで一人でも多くの方に日本製洋傘の奥深さや細部に宿る魅力を伝えたいという想いのもと、今回の書籍を製作出版されました。
なお、小宮商店さんは東京都「江戸東京きらりプロジェクト( https://edotokyokirari.jp/ )のモデル事業として採択され、2023年より参加されています。
この事業により本書の発行が実現できたそうです。
本書の内容は・・・
本書では、洋傘の構造やつくり方から、歴史や伝統、職人の想いまでを、できるだけやさしく丁寧に紹介されています。
「次世代に洋傘文化を伝えたい」という想いが強いからこそ、洋傘業界の専門的な分野も、キャラクターの解説を交えながら、わかりやすく伝えることを心掛けました、とのこと。
洋傘ってどのように製作されるのか、今までどのようにつくられてきたのか、これまでロズマリも特に気にしていませんでした。
この本の表紙を見て、そして冒頭の「ごあいさつ」を読んで、洋傘の成り立ちについて興味が湧いてきました。
なお、この本では、傘のことに詳しい「かわず先生」と、知りたがりの傘の子ども「オンブル君」が登場し、ところどころにコメントを入れています。
(画像は裏表紙のかわず先生とオンブル君です。冒頭画像の表紙にも登場していますね。)
ちなみに「かわず先生」の「かわず」はカエルのこと、傘の内側にもう1枚生地を張るのを「蛙張り(かわずばり)」と言うそうです。「蛙張り」は第3章に出てきます。
「オンブル君」の「オンブル」はフランス語のombre(オンブル:影)からきているようです。
日傘は英語でもフランス語でもparasol(パラソル)ですが、フランス語では別にombrellle(オンブレル)とも呼ぶそうです。こちらは第5章の記述です。
とにかく「目から鱗・・・」の内容満載の本です。
・・・それでは第1章より説明させていただきます。
第1章
洋傘を知ろう
洋傘の基本を学ぶ入門章です。
洋傘と和傘の違いや、洋傘のタイプ・パーツ・サイズ・用途・品質基準・試験方法といった、洋傘の基礎知識を教えてくれます。
洋傘は西洋から伝わった傘、和傘は日本で使われてきた傘、まあこのくらいは知っていました。
しかし和傘は閉じたときに頭部を持つことは忘れていました。確か時代劇で見た憶えがありましたが。
そして「雨晴兼用傘」は雨傘の基準をクリアした上でUVカット率90%以上、「晴雨兼用傘」は基本的に日傘として使用しながら雨の日でも使えるタイプ。・・・違いを知りました。
傘製品の試験項目と基準も、かなり厳しいものと理解しました。
第2章
洋傘の中をのぞいてみよう
洋傘は骨・生地・手元でできている、そうです。
傘骨は「親骨(おやぼね)」「受骨(うけぼね)」「中棒(なかぼう)」、傘生地にも数々あり、手元は印象や使い心地を決める、なるほど。
生地では特に「甲州織(こうしゅうおり)」について詳しく述べています。
更にほぐし織を織る「機屋(はたや)さん」、手元を製作する「手元屋さん」の紹介も珠玉でした。
第3章
洋傘をつくる・育てる・なおす
いよいよ本題の「洋傘製作工程」です。職人さんの技やこだわりの道具にもスポットを当てています。
小宮商店さんとしての製作全工程を、ひとつひとつ丁寧に説明されています。
工程それぞれの手仕事、プロの技を、画像とコメントで垣間見ました。すばらしいです。
・・・と、短く説明しましたが、この章、本当に注目に値します。
洋傘使用について気をつけたいこと、お手入れ方法も述べられています。
第4章
洋傘のはじまり
「傘」の歴史は4,000年ほど前のエジプト、もしくはメソポタミア、という説があるそうです。
傘は王の権威の象徴。
そしてその後はヨーロッパでは日傘として高貴な女性が使うもの、と認識されました。
「女性専用」のイメージがついた傘、それを覆したのは、1750年頃のイギリスのジョナス・ハンウェイという男性。
パイオニアとして人々の嘲笑にもめげずに傘を使い続けたそうです。
彼の努力により、次第に傘の実用性・経済性が男性にも受け入れられるようになった、とのこと。
ここからは傘は「紳士のシンボル」となったそうです。
第5章
和傘のはなし
今度は「和傘」です。
和傘の歴史は、4世紀から5世紀前半の古墳時代が発祥、とのこと。
ここでもスタートは「権威の象徴」。やがて「唐傘(からかさ)」が民衆にも浸透。
織田信長の馬印(うまじるし)が、黄金の唐傘だったことは知っていました。
それから江戸時代の「町入能(まちいりのう)」で、観覧の町人に対して入場時に傘が配られたこと、中央区観光検定でも何度か出題されていますので、ロズマリの知識にも入っています。
しかし「傘」「仐」「繖」どれも「かさ・さん」ですが、文字の成り立ち、ここで学ばせていただきました。
そしてアジア各国の傘事情についても認識し、理解しました。
第7章
技と心をつなぐ
そしてこのような時代だからこそ、伝統を次世代に受け継ぐ取り組みを、小宮商店さんは始めています。
それは「東京都の伝統工芸品」への指定であったり、「東京都伝統工芸士」の育成であったりします。
「ものづくりの火を絶やさず未来へと引き継いでいく決意」、本書の締めとしてひしひしと伝わってきます。
楽しく詳しく学べる 洋傘の教科書 1%以下の日本製洋傘のこと
税込2,700円
サイズ B5版 176ページ
小宮商店さんのホームページで販売されています。
また、小宮商店さんの店舗でもお求めいただけます。
・・・この本を読んで、ロズマリは洋傘に関する認識を改めました。どれほど「なるほど」と気付かされたことでしょう。
とても身近な存在「洋傘」、その洋傘の本、皆さんもお手元にいかがでしょう?
第6章
日本に広まった洋傘
洋傘が日本に渡来したのは1854年の黒船来航、といわれているそうです。異国人の持ち物「蝙蝠傘(こうもりがさ)」と呼ばれました。
日本では洋傘は文明開化とともに広まり、大衆文化の波に乗り流行・発展していきました。
戦争による統制もありましたが戦後の復興に伴い、傘産業は一大輸出産業へと成長しました。
しかしオイルショック以後は競争激化などにより衰退の一途、とのこと。
2000年以降は日本製洋傘は市場の約1%以下になってしまいました。
だからこそ、小宮商店さんのような「職人さんがつくる優れた日本製洋傘」その製造・販売に価値があるのですね。
小宮商店 東日本橋ショップ
東日本橋3-9-7
03-6206-2970
営業時間 10:00~18:00
(水曜日は10:00~20:00)
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