東京証券取引所見学ツアー&株式投資体験
年度初めの4月、東京証券取引所の見学ツアーに参加しました。参加者の多くは、新社会人や大学の新入生らしき人達。そんな空気が漂っていました⁈ 館内を案内してくださったのは、東京証券取引所のOBと思われる方。
電子掲示板やマーケットセンターの仕組みから、創設の歴史、さらには建て替え前の裏話まで、当事者だからこそ語れる内容ばかりで、気づけば60分はあっという間でした。
写真は「チッカー」と呼ばれる電光掲示板。ニュースでよく見る、あの装置です。
東京証券取引所のマーケットセンター上部をぐるりと囲み、全長は約50メートル。売買が成立した瞬間の株価が表示され、回転速度も市場の動きに応じて変化します。まさに「市場の今」を映し出す装置ですが、動きがあるためシャッターチャンスは難しい。
そしてもう一つ興味深いのが“色”。日本では「赤=上昇」「緑=下落」ですが、ニューヨーク証券取引所など欧米ではその逆です。日本やアジアでは赤は「めでたい色」、一方で欧米では警告や危険を示す色。同じ株価でも、色の意味は国によって異なります。文化の違いとか。
ちなみに「チッカー」という名前は、かつてニューヨーク証券取引所でチッカーテープ(細長い紙)に株価を印字していた際の「チクチク」という音に由来。
上場の鐘
新規上場セレモニーで鳴らされる鐘。
取引初日には式典が行われ、鐘を鳴らす回数は「5回」。五穀豊穣を願う意味が込められているそうです。
また、その年最後の取引日は「大納会」。東京証券取引所では、その年に活躍した“今年の顔”が招かれます。
昨年は、サッカー日本代表監督の森保一さんが登場しました。
株価ボード
そもそも東京証券取引所(東証)とは、日本企業の株が売買される場所です。
上場企業は約4,000社。ここでいう「銘柄」とは、上場している会社名を指します。
2022年には市場が再編され、従来の一部・二部・マザーズは廃止。現在は「プライム」「スタンダード」「グロース」の3市場に分かれています。
前日の終値より上がると赤、下がると緑。白く変わるのは、取引が成立した瞬間です。
実際に見ると動きが速すぎて、なかなか追いつけません。
東京株式取引所(東京証券取引所の前身)
「当時、ここで仕事をしていました」そう語ってくださったのはガイドの方。
東京証券取引所の前身、東京株式取引所は、昭和6(1931)年に完成。建物の中ではトレーダーたちがひしめき合い、売買はすべて「立会い」で行われていました。
しかし約50年後、老朽化により建て替え。昭和63(1988)年には新本館が完成します。
そして平成8(1996)年、株式売買は全面システム化。
かつては銘柄や価格を“手サイン”で伝えるという、今では想像もつかないほどアナログな世界でした。
立会場の閉場とともに証券会社も次々と移転し、兜町の街並みも大きく変貌。
まさに「人の市場」から「データの市場」へ。その転換期を、現場で見てきた方の言葉には説得力がありました。
株式投資体験コーナー
同コーナーでは仮想の証券市場で株式売買を体験できます。
参加者は仮想資金1,000万円を元手に、3つの銘柄を売買。
為替や金利、海外市場などのニュースが数分おきに配信され、それをもとに判断します。
参加者同士で同時に取引を行うため、株価は注文によってリアルに変動。まさに“対戦型”のシミュレーションです。
株価は、経済、政治、企業の動き。遠い国の出来事だと思っていたニュースが、すぐに数字として表れる。これは運ではない。いきなり実際の投資はハードルが高いですが、まずはこうしたシミュレーションから始めてみるのも良いかも。
見学記念品コーナー
日本取引所グループのロゴ入りオリジナルグッズや兜神社のお守りも販売。グッズは自動販売機で購入。
KABUTO ONEの四面四分割回転式LEDディスプレイ「The Heart」
東証を出て、折角なので近くのKABUTO ONE に寄ってみました。館内の「The Heart]は、当日のマーケットの動静を表示しています。KABUTO ONEは、2021年8月に開業した大規模な複合オフィスビル。オフィスだけでなく、イベントホールやカンファレンス、カフェや本のラウンジなど、ビジネスと交流の拠点になっている施設が入っています。
館内には渋沢栄一像や佐渡の赤石も展示してあります。
兜神社 兜岩 “デジタルが進んでも、願いの形は変わらない”
証券界の守り神とされる兜神社を参拝。兜神社は、東京証券取引所の北側、首都高速・高架下近くの神社です。
証券関係者が成功や繁栄を祈願する神社として知られています。
その境内にあるのが、「兜岩」と呼ばれる岩です。「日本橋兜町」という地名の由来になったとも言われています。
兜神社では、毎年4月1日に例大祭が行われます。兜神社には神主の方が常駐していないので、毎年近くの神社の神主の方が、出向いて儀式を執り行っています。 境内に幟旗が立ち、兜町界隈の関係者が集まり、神主の祝詞で証券業界の発展を祈願します。
株の取引は今やコンピューターが瞬時にこなす“超デジタル”の世界“…しかし祈願”は今も人が行っています。
来年は、この例大祭に合わせて参拝したい。
東証Arrows
【東証Arrows見学の詳細については、下記参照】
東証Arrows見学(見学・体験)で検索
① 自由見学 30分程度(目安)予約不要。ただし10名以上の場合は応相談。
② 案内付き見学ツアー 約60分 / 90日前~4日前までに予約
1日4回実施(9:00~/10:00~/13:00~/14:00~)
※ 土・日・祝祭日・年末年始を除く
※株式投資体験は、連続した時間枠で予約可能。(例:10:00~の見学と11:00~の投資体験)
株式会社東京証券取引所
住 所 : 東京都中央区日本橋兜町2番1号/電話:03-3666-0141(代表)
アクセス:東京メトロ東西線「茅場町」駅(出口11) 徒歩5分 / 日比谷線「茅場町」駅(出口7) 徒歩7分
見 学: 西玄関(団体及び個人見学受付入口)から入場。
【KABUTO ONE】
住 所: 東京都中央区日本橋兜町7番1号
アクセス:東京メトロ東西線「茅場町」駅直結
【兜神社】
住 所: 東京都中央区日本橋兜町1-12
アクセス:東京メトロ東西線 茅場町駅(出口11)徒歩4分
《参考資料》
・東京証券取引所 パンフレット
・東京人2021年11月増刊 『兜町・茅場町を楽しむ本』
*東京証券取引所のブログ掲載については許可をいただいております。
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