あすなろ

今昔 時代を見てきた堀

現在暗渠となっている浜町川は、かつて神田川から分かれ、大川(隅田川)に接した堀割でした。

 今昔 時代を見てきた堀

浜町川には途中西に入る支流がありました。入江橋から始まる短い堀です。吉原遊郭を囲んでいた南側を沿っていたものといわれています。明暦の大火後、吉原は浅草に移転した跡地は町屋となり、堀のほとんどは埋められたようですが、この堀だけが残りました。

 今昔 時代を見てきた堀

堀沿いにかまど職人が多く住み、「竃河岸(へっついかし)」と呼ばれていました。かまどを船で出荷する必要性から、この堀だけが残ったと考えられます。人形町通りまで延びていた堀は、蛎殻銀座ができてからは、原料や資材の輸送路として利用されていたそうです。

 今昔 時代を見てきた堀

横堀は埋め立てられ、浜町川は、緑道として整備されています。

古地図を手に、ある時代小説の江戸人情や市井の秀逸な描写を思い出しながら、街歩きしてみました。

 今昔 時代を見てきた堀

中央区立図書館/地区図
◆古地図で歩く!
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