ハイレベルなインバウンド講習(実践編)
昨年受けた下高原由記さんの講習は、ビギナー向けにしては濃厚な水準で大満足でしたが、「もう少し英語表現に特化した上級者向けセミナーをお願いします」とアタクシがリクエストしていた(実話)からなのか、ついに「実践編」が開催される運びと相なりまして、さっそく先日受講してきました。
講師はイチロー選手の奥様の通訳も担当されたという、4Cランゲージアカデミー代表 清水智湖氏。4Cとはアタクシも初めて知りましたですが、Courage(勇気)、Challenge(チャレンジ)、Confidence(自信)、Commitment(責任)の acronym で、接客英語によるホスピタリティのエレメンツだそうです。午前と午後の2部構成で、午前はブラ歩き、午後は主に地下鉄を利用するシチュエーションでの英語表現を教えて頂きました。
どちらも、すぐに使えて文字通り実践的な表現をゲット。
「ワクワク」も「まるごと」でも、地下鉄を利用したツアーは稀ですが、まもなくオリ・パラ2020でもあるし、英語で都内をグローバルにご案内できるような心の準備だけはしておきたい。どこで乗り換えて、どう行けば目的地にたどり着けるかを、シンプルに説明するのは、日本語でもけっこう難しい。例えば、渋谷で銀座線に乗り換える場合、わざわざ「浅草行きに乗りましょう」(虎ノ門、銀座方面)という案内は余計なお世話です。しかし、表参道で乗り換える場合、渋谷方面か銀座方面かのチョイスは不可欠。そういった初歩的な知識の他に、そもそも、日本語感覚でロケーションを把握してないと英語にも変換できません。
座学で例文を何度も音読し、ロールプレイでシュミレーションを重ねるという進行での体感型講習は充実しておりました。
このセミナーでは、参加者が違和感なくロールプレイに入りやすいよう、講師とは別にアシスタントの女性が随行しており、模範デモンストレーションをペアで見せてくれていました。その彼女の進行の段取りが手際よくリズミカルで、恥ずかしがり屋さんのアタクシも勇気づけられてノリノリでアゲアゲ気分♪
最後の締めくくりでは、「外国人観光客」役を演じる隣の席の人から、何にお困りかが書かれた秘密のカード(直前まで受講生に内容は知らされていない)を見せられ、何がなんでも英語でアドバイスするというロールプレイング。
その時、アタクシが見せられたカードには、こう書かれていた!!!
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そう来ますか?
今までの、地下鉄のセッションは何だったんだ(>_<)
こんニャ想定外の質問に、さすがのアタクシもシドロもどろ。
「こ、これが・・・、実践...」 ( ← アムロ・レイ風)
バーチャルで極限状況に追い込まれ、潜在能力が覚醒する?
絶句しながらも、苦し紛れに思いついたのは 「How about Sushi ?」
ちなみに、ベジタリアンって、お寿司はOKでしたっけ? (人・国によるらしい)
昔よく外国人を回転寿司にご案内した記憶が蘇り、反射的にとっさの一言が出てきただけですが、ニュータイプのガイドを育成するジオン公国の新型自己啓発プログラムなのかもしれない...。
こんニャのもありました (>_<)
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こりゃ相当にハイレベルだから、絶対に秘密で以下に模範解答を。
This is an appetizer, called "OTO-Shi"
They serve it to all the customers without asking, and it will be added to your bill.
It's like a cover charge.
異文化への接遇では、こちらの意表をつく展開はよくあることで、そういう「プチ修羅場」を、さりげなく体感させてもらえる構成は巧みというか、感動しました。
日本人なら気にしない、あるいは気がつかないことでも、海外からお越しのお客さん目線により、その美徳を再発見できるのも、異文化交流の醍醐味であります。美徳のよろめきから、思わずテンパったり、パニクる失態を演ずることで、己の未熟さもあらためて痛感する(>_<)
そうした「気づき」の段階から、「おもてなし」へのアプローチにまで繋げていくチャレンジが、このセッションのキラー・コンテンツでした。
近年、この種のユーザー・エクスペリエンス(体験)を取り入れたセミナーが増えています。実際に現場で通用するスキルというものは、本人が身体で覚えるしかニャいという、当たり前なんだけど、なかなか気づきにくい真実を、あらためて勉強させて頂き感謝しております。やっぱ外国語は音読だべや(>_<) いや、日本語での案内にも言えますね。
講師の清水さん、アシスタントの某K嬢さん、ありがとうございました
相手が外国人であろうとなかろうと、どんなに準備していても、想定外のことに直面してしまう。こちらの勉強不足にめげることなく、そういう時にこそ、平常心でしなやかな対応を心がけたいと願っています。
【過去記事リバイバル】
◎インバウンド講習参加報告(たぶん) (2018年7月31日付)