2025白鶴銀座天空農園
稲刈り
~ 白鶴酒造 ~
リモートで、愛する中央区をナビゲートします、rosemary sea です。
神戸に本社を置く白鶴酒造株式会社さん、東京支社ビルは銀座にあります。
今回のご紹介は、この銀座のビルの屋上「白鶴銀座天空農園」の稲刈りです。
白鶴酒造さんは、日本酒の情報発信の一環として、2007年より東京支社ビル屋上で酒米を作るプロジェクトとして「白鶴銀座天空農園」をつくり、独自開発米「白鶴錦(はくつるにしき)」の栽培に取り組んでおられます。
ここで育った「銀座の酒米」でつくられましたお酒、商品化されております。
昨年のお米も純米大吟醸酒『白鶴 翔雲 純米大吟醸 銀座天空農園 白鶴錦』となりました。
今年は5月22日の田植えにより、2025年の酒米・白鶴錦、デビューしました。
※ 今年の田植えの記事はこちらです。
⇒ https://tokuhain.chuo-kanko.or.jp/detail.php?id=5934
※ 今年の10月7日時点での稲の生育状況、記事はこちらです。
⇒ https://tokuhain.chuo-kanko.or.jp/detail.php?id=6104
ここで白鶴酒造さん独自開発の酒米「白鶴錦」につきまして・・・
酒米(さかまい)とは、お酒の原料となるお米のこと。
白鶴酒造さんは優良酒米開発のため、酒米の最高品種である「山田錦」の優良形質を解明し更に優れた酒米を開発する目的で「白鶴錦」の育種に着手。
1995年、「山田錦」の父にあたる「渡船(わたりぶね)」と母にあたる「山田穂(やまだぼ)」の交配を開始し、優良品種を「白鶴錦」として2007年に品種登録されました。
ロズマリは2017年の稲刈りから連続して、こちら白鶴銀座天空農園の田植え・稲刈りなどをご紹介させていただいております。
今年は10月23日に、待望の稲刈りが執り行われました。
昨年の稲刈りは10月30日でしたから、昨年より1週間早めの稲刈りとなりました。
天候は薄曇り、風はありません。
当日の稲刈り作業には、白鶴酒造の社員さん約30名が参加されました。
稲刈りを始める前に、稲刈りの作業手順の説明がされました。
① 利き手で鎌を持ちまして、利き手とは反対の手で稲の茎をつかみます。
その際、茎を持つ手の親指は必ず上を向いているようにしてください。
もし反対にしてしまうと、親指を切ってしまう可能性がありますので、大変危険なので、必ず親指を上に向けて刈り取るようにしてください。
② 普段の稲刈りは地面から1cmから3cmのところでカットするのですが、今回はげんこつ1個分くらい残したところ、地面から5cmから10cmのところで、鎌のギザギザ部分を茎に押し当てて、斜め上にスライドして刈り取ります。
この時に、のこぎりのようにギコギコとしたくなると思いますが、そうではなくて、スパッと切るような感じで、スライドさせてカットしてください。
③ 刈り取った稲を持ったまま、手に持てなくなるまでだいたい5~6株、このまま続けて刈っていきます。
もしも持てない場合には近くに稲を結んでくれるスタッフがいると思いますので、そちらに渡すようにしてください。
④ 刈った稲は穂の部分が土につかないように、脇の木のデッキの上に置くか、田んぼの端の石の上に置いてください。
⑤ 5~6株で刈り取った稲を1束として、ビニールひもで二重に固く縛ります。
この時に、ちょうちょ結びでも良いのですが、できればこれが外れないようにしていただきたいので、堅結びでも大丈夫です。
またその際、束の中に雑草が入ってしまうと、後で取り除くことになりますので、雑草が入っていたらはずして縛るようにしてください。
今回も白鶴酒造株式会社 営業サポートグループ 山田亜由美さんにお世話になりました。
山田さんは白鶴銀座天空農園のチームリーダーをされています。
画像配置は前後しますが、画像右下、インタビューを受けられていますのが山田さんです。
ちなみに左上の人物は白鶴酒造株式会社 執行役員・吉田信一郎・東京支社長です。
稲刈りが始まった後、田全体を見守っておられます。
山田さんのコメントです。
現在、白鶴銀座天空農園のプロジェクトは東京支社営業サポートグループのメンバー(女性8名・男性1名)が、総務や営業事務と並行して運営しています。
天空農園のチームリーダーに着任してから5年、プロの指導と協力のもと、手探りで米作りを経験してきました。
2025年の田植え直後は雨も多く曇りがちで肌寒く、不安と心配を抱えてのスタートとなりました。
6月、梅雨入り以降の快晴のおかげで、1か月で茎はだいぶ太くなり、背丈も50cmを超えるなど、大きな生長がみられました。
歴代1位の高温となった7月、引き続き日照時間も多く厳しい暑さの中でも月に20cm以上伸びるなど順調に生長していきました。
同時に雑草や藻も大量に発生、水の蒸発も早く管理にはとても気を遣いました。
8月には都内で40度を観測するなど、過酷な暑さの中での日々の巡回は体力的にも精神的にも楽なものではありませんでしたが、8月22日に出穂(しゅっすい)を確認してからは再び愛着を持って稲に向き合うことが出来ました。
9月を迎えても続く猛暑のせいか、今年は稲の花と出穂が時間をかけて見られた気がします。
10月には立て続けに台風が接近するなど、心配は尽きませんでしたが、無事黄金色の稲穂を実らせています。
昨年の生育不良を受け、今シーズンは田んぼ内に排水層を作ったり、猛暑対策としてメタノール資化性菌(メタノールを栄養源として培養された微生物)を葉に散布するなどの対策を行ったことも生育を進めるいいきっかけとなったのではと思っています。
来シーズンに向けてさらに試行錯誤を重ねながら、安定した収量と質の向上を目指して取り組みたいと思います。
次は11月12日穀物検査です。
午前10時過ぎ、ビルの屋上に上がり、19年めの稲刈り、開始です。
今年のスペシャルゲストの、Miss SAKE ファイナリストのお二人も、白鶴酒造の社員さんたちとともに田に入り、稲の刈り取りをされました。
・・・昨年同様「銀座ものひと繋ぎプロジェクト」より「銀座ひと繋ぎプロジェクト」として取材をされていましたが、今年は田植えの際と同様、稲刈りにも参加されていました。
お二人で刈られていました。上の上側の画像です。
銀座出身の宮本亞門さんとともに、「ものからひとへ想いを繋ぐ」をテーマに、銀座にゆかりのある人と人を繋ぎ、メッセージを日々YouTubeで発信されているそうです。
皆さんの稲刈り作業中、この天空農園のお手伝いをされている西武造園の藤代あゆみさんへインタビューです。
上の下側の右から2番目の人物が藤代さんです。
ちなみに藤代さんの左右、藤代さん併せて6名が、この日お手伝いくださりました西武造園の方々です。
ー 排水層とメタノール資化性菌のことは山田さんから伺いました。
他に今年とられた方策はございますか?
あとは土の土壌分析を事前にしました。
分析して窒素の量などに合わせて肥料の計画をしました。
ー 以前お伺いしました「肥培管理(ひばいかんり)」ですよね?
そうです、それです。
ー 肥培管理を徹底された、ということですね。
で、今回はその効果があったということになりますね。
あったといいな、と思います。
ー 今年は収量が多いような気がしますが、どうですか?
多いと思います。
ー 実がしっかりと入っていますよね。
去年がちょっと苦戦したので・・・
ー そうでしたね、今年はその分対策を練ってそれが良い方向に来たのかな、と・・・
はい。
ー 11月12日ですね、穀物検査は。楽しみですね。
良い評価が出るといいですね。
ー 量ももちろんそうなんですけど、一番は「質」かな、と思うんですよね。
そうですね、楽しみです。
台風もなくて本当に良かったです。
ー そうですよね大きな台風は今年は来なかったですね。
今月7日にも私、こちらへお伺いして稲の生育状況を見させていただいたのですが、山田さんも「暑い頃は蛾やカメムシが飛んできたのでちょっと気になったが、涼しくなったらあまりいなくなった」と仰っていました。
今年は恵まれたかもしれませんね。
そうですね、神様は見てくださっているのですね。
ー そうですね、そのとおりですね。
来年で20年ですからね。
来年も皆さんの笑顔が見られるといいですね。
ー 同感です。
・・・藤代さん、ありがとうございました。
上の画像の左側のように、稲は次第に刈り取られ、ひもで束にまとめられていきます。
また、上の画像の右側、何をされているのか、とてもわかりにくいですね。
「一粒たりともこぼさず、無駄にしない」というポリシー設定で、わずかなお米もポリバケツに入れ、大切にされています。
刈られた稲は稲架掛け(はさがけ)に。
後日小学生の皆さんの刈る田を残して、稲刈り終了です。
稲架掛けの前で、皆さんで集合写真タイムです。
こちらは、Miss SAKE ファイナリストのお二人の間に山田さんが入った画像です。
ここで今年のスペシャルゲストのお一人、2025Miss SAKE 福岡 松口理子(まつぐち りこ)さんへのインタビューです。
ー 松口さん、お疲れさまでした、田植えの際もお世話になりました。
田植えの際に「田植えはバケツ稲稲程度」とお伺いしましたが、稲刈りのご経験は?
鎌を持って実際に刈る、というのは初めてでしたので、どんな風なのか想像がついていなかったのですが・・・。
白鶴の社員の皆さんがサポートしてくださってとても楽しく作業させていただきました。
ー なかなかこういう機会はないですからね。
ちょうどご自分で植えたところ・・・
ちょうど田んぼの真ん中辺りを植えさせていただいたので、まさに自分が植えた稲を刈る、という、なかなか無い体験ですね。
ー 植えて、刈って、ですね。
もちろん育てるところはできないので、白鶴天空農園さんのインスタグラムで生長の様子が掲載されていましたので、そちらでちょっとわくわくしながら生長を見守っていました。
今回、刈り取りできて嬉しいです。
ー そうですか。ところで田植えのあと、ピアノの方は?
今年、藝大大学院を卒業されたのでしたよね?
ピアノはありがたいことにちょうど夏から秋にかけて演奏会などが多くて、地元の福岡と東京で、いろいろな場所で弾かせていただいております。
最近は私のインスタグラムを見てくださっている方が、ピアノのお客様でも「お酒の活動してるよね」と声をかけてくださる方が、・・・
ー (Miss SAKEと)わかっていらっしゃる方が・・・
そうですね、地元に行った時も、飲食店の方だったり、「Miss SAKE、どう?」って言ってくださる方も多いので、自分の音楽とお酒という好きなところをこれからどんどん繋げていけたらな、っていうところです。
ー そうですか、その後、福岡のお父さまはどうですか?
(田植えの際、実家のお父さまが「福岡へ帰ると、わくわくしながら日本酒のお店をピックアップして連れて行ってくれる」と伺ったことを踏まえて)
お父さんは(笑)、先週もちょうどリサイタルがありまして、福岡に帰省していたのですが、福岡の日本酒が置いてあるお店を事前にピックアップしていて(笑)、たくさん福岡のお酒を・・・
ー 飲まれました?確か福岡の地鶏とか、お肉や野菜?
そうです、今回は福岡の居酒屋文化っていう感じのお店に伺って、福岡に有名な酒販店さんがあるのですが、その酒販店さん限定のお酒、かつ、飲食店にしか販売していないお酒、というのがありまして、それが福岡の居酒屋文化の味に合うように造られたお酒でしたり。
やはりご当地ならではの食文化を堪能して帰ってきました。
ー (お父さまは理子さんの)ファンのお一人でもあるのでは?
一番のファンでいてくれるので(笑)。
これからも一緒に日本酒をいただく時間は大切のしたいなと思っています。
絶対にリストが溜まっていると思うので。
ー お父さまのリストが溜まっている、と。それを順にこなす、と。
これからも日本酒の普及発展のために活動されていかれる訳ですね。
それとピアノもあります、と。
いろいろな興味のある分野とかけ合わせられる架け橋になれる存在になって、それが日本酒文化の更なる発展に繋がればいいなと、微力ながら。
ー 今日はありがとうございました。
前回に引き続き、ありがとうございました。
続いてもうお一人の今年のスペシャルゲスト、2025Miss SAKE 山形 平野紗理(ひらの さり)さんです。
ー 平野さんのYouTube 「Miss SAKEが教える!3分でかんたん!『ダシ』の作り方」、見ました。
ああ、ありがとうございます。
ー 材料の中で、「秘伝豆」?
そうです秘伝豆、最近山形県が推している大豆なんですけど、枝豆みたいな、はい。
ー 夏は過ぎてしまいましたが、作ってみたいなあっていうお料理でしたね。
作ってみてください。
ー 仰っている通り、簡単ですよね?しかも美味しい、と。
そうなんです。栄養も抜群ですので。
ー ところでMiss SAKE ファイナリストのコメント欄に「ヨーロッパをバックパックで一周した経験を持つ」と書いてありましたが。
そうです、イギリスの大学で専門学を学んでいましたので、途中まで。
ー 今は早稲田大学在学中ですよね?
そうですね、イギリスの大学はコロナで辞めて、今は早稲田で環境学を。
ー 校舎は今、どちらですか?
所沢です。
ー 私の家の近くです。
トトロの森がありますね。いいところですね。
ー そうですね、あります。いろいろお話が飛んでしまいますが、「好奇心」とか「行動力」。
そういうところが強みとか。
そうですね、人より特に好奇心は強いかな、と。
昨日も登山に行ってきて、1泊2日で南アルプスの山に。
ー 海や山を自らの足で歩く、と・・・
はい、自然が好きで。
ー 自分の目で見て、感じて。そして表現して。
そうですね、やっぱり、SNSとか、インスタグラムをしています。
ー そちらで写真を載せたり、とか。
そうですね、YouTubeもやろうと思っています。
でも現地に行かないとわからないことってたくさんあるなと思っています。
ー お料理を作るのは?
お料理大好きです。
ケーキ作りのライセンスを持っています。先生の、講師の資格も、高校生の時に。
Miss SAKEの山形代表になりましたので、「芋煮」などもご紹介したいです。
今ちょうど時期です。
ー ところで、稲刈り、経験は?
実は先月、有機農業の勉強をしておりまして、「白芒もち(しろのげもち)」というもち米、そこでしかない品種のもち米の収穫のお手伝いをしてきました。
ー それまでのご経験は?
でもやっぱり機械で刈ってしまうので。
ー そうですよね、手で刈るというのは貴重な経験ですよね。
白芒もちも、今日の稲刈りも。
昔の人はこうやっていたんだなと、ありがたみがします。わかりますね。
ー どうですか、刈ってみて。これが美味しいお酒になる、と。
自分の手で刈ると、百倍楽しみになります。
愛情籠めて皆さん育てられていたんだな、と。
今日、白鶴さん社員さんと作業しながらお話を伺って実感したので、お酒になるのが楽しみです。
ー これからお酒に仕上がって来年、ここ銀座で発売されます。
美味しいお酒になりそうですよね。
日本酒はお好きですか?
大好きです。
ー よく飲まれますか?
はい。
ー 一緒に食べる「アテ」ってどのように?
その土地の食べ物とその土地のお酒というのが一番美味しくお酒を飲む方法だな、というのが、はい。
ー そこの名酒、そこの名産、と。
そうです。それが一番いいなと思っています。
ー ダシ、芋煮の他にもうひとつくらい。
たくさんあって逆に難しいです。
ー そうですか。ではこの時期としては。
ちょっと遅いですけど、だだちゃ豆です。
枝豆の王様と言われています。塩で茹でるだけ、それだけで絶品のアテになる、と。
現地に行くと朝採れのが道の駅に並んでいます。
風味が全然違います。
ー おうちで飲みます?それとも外で?
どちらも好きですが、どちらかというと外で、居酒屋で皆さんとお話をしたり・・・
それも醍醐味のひとつ、と。
ー 今日はそういった際の話のタネとなりますかね、自分の手で稲刈りした、酒米を、と。
銀座で稲刈りしてくる、と言ったらすごく驚かれました(笑)。
ー ぜひ今後も日本酒を広めていただいて。
山形の日本酒も。今日もPRしていきたいです。
ー 今日はありがとうございました。
ありがとうございました。
稲刈りを終え、フロアに戻ってきますとお酒試飲コーナーが設置されていました。
天空農園のお酒、昨年のお米で造られたお酒です。
皆さん、フルーティーな一杯を試飲されていました。
・・・刈り取った酒米が立派な日本酒になる、その日が待ち遠しいですね。
毎年感じますが、皆さん、こぼれるような素敵な笑顔で稲刈り作業をしておられました。
ですからきっと、また美味しいお酒ができるはずです、きっと。
なお、天空農園の日々の様子はSNSでも配信されています。ご覧になってください。
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白鶴酒造株式会社 東京支社
銀座5-12-5
東京メトロ日比谷線 東銀座駅 至近 (銀座駅からも近いです。)
歌舞伎座の信号角、向かい側のビルです。
03-3543-0721
白鶴酒造さんのホームページはこちら
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