べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~ 異聞 49
~ 中山富三郎 ~
リモートで、愛する中央区をナビゲートします、rosemary sea です。
NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)~」第47話、やはりバトルは続きましたね。チーム松平定信のターン、反撃です。
しかもにっくき一橋治済(ひとつばしはるさだ)さまをおとしいれるチーム定信に、一橋さまの実の息子である将軍・徳川家斉(いえなり)さままで加担させての「毒饅頭の仇は毒饅頭で取る」作戦。
実際は毒饅頭ではなく睡眠薬入りの茶ではありましたが、飲ませるために将軍までその茶を飲んで眠ってしまうとは意外でした。
これも恐らく柴野栗山(しばのりつざん)先生の考えたものでしょう、茶菓子は饅頭ではなく羊羹のようなものでしたが、そちらに注意を注がせて実は茶で、とは。見事でした。
傀儡(くぐつ)好きの一橋さまも、自身最大の傀儡である将軍・家斉さまは味方、と思っていたでしょう、誤算でしたね。
それから定信さまが国元へ去る際、耕書堂に立ち寄り言った言葉「一度来てみたかったのだ、(耕書堂や恋川春町先生を罰したのは)唯一の不覚」、本音でしょうね。
もうひとつ、阿波の能楽師・斎藤十郎兵衛の存在。
「べらぼう・・・」では一橋さまうり二つとして「替え玉」とされましたが、ロズマリはこのシリーズ47で「東洲斎写楽は実は、阿波の能楽師・斎藤十郎兵衛といわれています」と述べました。ここで十郎兵衛さんを差し込んでくるとは、いやはや演出の妙、さすがです。
47話に登場しましたのは、
シリーズ29蔦重、シリーズ25てい、そしてシリーズ⑥長谷川平蔵、そしてそして松平定信(これから、シリーズ最終50にて)。
さすがに今回は徳川家主体の回、絵師・狂歌師・戯作者・歌舞伎役者の皆さんは一旦お休み、となったようです。
今回は、46話登場の「中山富三郎(なかやまとみさぶろう)」についてお話しさせていただきます。
富三郎さんは市村座に出ていました。
当時の市村座は葺屋町(ふきやちょう:現在の日本橋人形町3丁目)にありましたから、もちろん中央区族です。
なお、冒頭画像は浜町2-31-1、明治座分社の左の狛狐です。また趣向を変えまして左からのご紹介です。
それでは・・・
中山富三郎は・・・
画像は同じく笠間稲荷神社 明治座分社の右の狛狐です。
宝暦10年(1760年) ー 文政2年(1819年)
江戸時代中期ー後期の歌舞伎役者。
当初は中山松兵衛として初代中村文七、のちに四代目松本幸四郎の門下となり大坂で初舞台、その後江戸に移り立女形(たておんながた※)となりました。
(※ 立女形 ー 歌舞伎において女形の中でも中心的な存在を指します。「立女方」とも。)
傾城(けいせい:色香のあまり国を亡ぼすほどの美女、転じて「太夫」などの高級遊女)や世話女房を得意とし、一時代を築き上げました。
屋号は「近江屋(おうみや)」、あだ名は「グニャ富」、俳名は「錦車(きんしゃ)」。
なお、東洲斎写楽の描いた「初代中山富三郎の宮城野」は、文化遺産オンライン でご覧ください。
同じく写楽の「近江屋錦車 初代中山富三郎のさざなみ辰五郎女房おひさ」も、文化遺産オンライン でご覧ください。傑作と云われています。
「べらぼう・・・」での中山富三郎は・・・
画像は東日本橋2-6-8、矢ノ庫(やのくら)稲荷神社の狛狐、上が右、下が左です。
坂口涼太郎さんが演じています。「グニャ富」、見事でした。
江戸の歌舞伎役者。
グニャ富。
ー NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」ホームページより ー
狛狐画像、大放出します ー前編ー
このシリーズ、ここまでナレーター(語り)の九郎助稲荷(綾瀬はるかさん)になぞらえまして、狛狐や狛犬、神社の社や鈴、幟(のぼり)、手水舎・手水鉢などを添付画像としてきました。
「江戸っぽい」画像を使おう、という考えでした。そういう趣旨で集めた画像でした。
ですが、本放送は今回含め2回、大量に画像が余ってしまいました。中央区には神社仏閣、多過ぎます。
せめて狛狐だけでも放出し尽くそうと、今回・次回に目いっぱいお届けさせていただきます。
(しかし大廣神社の左脇の狛狐だけは、枚数の都合によりご紹介することが叶いませんでした。)
(狛犬も、金刀比羅宮のものや三光稲荷神社のものなどが残っております。)
・・・どうぞご覧ください。
上の4枚の画像は全て東日本橋2-25-5,川上稲荷神社の狛狐です。
上から順に、下段右、下段左、上段右、上段左です。
上の2枚の画像は日本橋本町4-4、両社稲荷神社の狛狐です。
上が右、下が左です。
まんじゅうこわい
今回47話の「べらぼう・・・」のタイトルは、「饅頭こわい」でした。
ロズマリは2020年5月26日の 人形町駅から行ける、静かな佇まいの神社 ⑧ ~ 茶ノ木神社 ~ にて、お茶繋がりで古典落語「まんじゅうこわい」を書いていました。
ここで再度ご紹介申し上げます。
「まんじゅうこわい」
若者が集まり、各々「こわいもの」の話をします。
ヘビがこわい、カエルがこわい、なめくじ、毛虫、クモ、等々。
熊さんは黙っています。
「熊さん、おめえは何がこわい?」
熊さんは一同が言った「こわいもの」は自分はまったくこわくないことを力説します。
「何もないか?1つくらいあるよね?」
「実は・・・まんじゅうがこわい」
奥で寝入る熊さんのまわりに、皆で買ってきたまんじゅうを置いて、熊さんを起こします。
「わ、まんじゅうこわい、こわいから食べてしまえ。」
一同、熊さんに騙されたことに気付きます。
「熊、本当にこわいのは何だ?」
「ここらで一杯、渋~いお茶が、こわい。」・・・
・・・NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」、とうとう最終回を残すのみとなりました。
寂しいですが、次回でしっかり締めたいと思います。
なお、次回このシリーズ最終のNO.50は「松平定信」を載せます。
登場人物の欄にも載せずにおいた、本当の「隠し玉」です。
ご期待ください。
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