べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~ 異聞 ⑤
~ 須原屋市兵衛 ~
リモートで、愛する中央区をナビゲートします、rosemary sea です。
NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)~」第5話、ご覧いただけましたでしょうか。
ロズマリが今回注目しましたのは、書物問屋、版元・須原屋市兵衛(すわらやいちべえ)です。
日本橋本町、日本橋室町、日本橋本石町などにお店を開いていたとされています。
なお、冒頭画像は日本橋本町3-10-11、寶田恵比寿神社、日本橋本町繋がりです。
寶田恵比寿神社は、以前ご紹介させていただいております。
⇒ 2020年9月26日「人形町駅から行ける、静かな佇まいの神社NO.25 ~寶田恵比寿神社~」
それでは・・・
須原屋市兵衛は・・・
画像は日本橋本町1-8-11の常盤稲荷神社、こちらも日本橋本町繋がりです。
常盤稲荷神社のご紹介記事はこちらです。
⇒ 2020年5月8日「人形町駅から行ける、静かな佇まいの神社④ ~常盤稲荷神社~」
須原屋市兵衛は江戸時代の書物問屋の店主。
須原屋は須原屋茂兵衛を元とした一統です。
須原屋市兵衛はそののれん分け先です。
ですが、書物問屋としてはかなり進んだ仕事をしました。蔦重とは違ったポジションでの「出版界の革命児」です。
代表的な出版は以下のような本です。
○ 安永3年(1774年) 杉田玄白、前野良沢らの翻訳の解剖学書「解体新書」
○ 天明5年(1785年) 三国通覧図説(朝鮮・琉球・蝦夷の解説本:林子平著)
○ 寛政3年(1791年) 海国兵談(国の海防の必要性を説いた本:林子平著)
ただ、「海国兵談」は、いくら自由な時代が到来したとはいえ、時代にそぐわなかった、早すぎた感があり、幕府に目をつけられてしまいます。
「海国兵談」は「三国通覧図説」とともに絶版となり、林子平は蟄居(ちっきょ)、須原屋市兵衛には重い過料が課せられました。
書物問屋は・・・
この画像も日本橋本町繋がりで載せました。日本橋本町4-5-13、福田稲荷神社です。
福田稲荷神社は以下のようにご紹介させていただきました。
⇒ 2020年7月22日「人形町駅から行ける、静かな佇まいの神社⑬ ~福田稲荷神社~」
書物問屋は、歴史書、医学書、儒学書、仏教関係の書物などを取り扱います。
いわゆる知識人向けの正統派の本の出版人です。
須原屋茂兵衛はその代表格でした。幕府の御用書肆(しょし)でもありました。
それに対し、蔦重などの地本問屋は、絵草子、洒落本や草双紙(くさぞうし)などの大衆向けの娯楽本を扱いました。
「べらぼう・・・」での須原屋市兵衛は・・・
画像は両社稲荷神社、日本橋本町4-4、日本橋本町繋がりとさせていただきました。
両社稲荷神社も以前ご紹介済です。
⇒ 2020年9月7日「人形町駅から行ける、静かな佇まいの神社⑳ ~両社稲荷神社~」
俳優の里見浩太朗さんが演じています。重厚感ある演技ですね。予告では次の第6話にも登場の様子です。
今後の身の振り方を考えあぐねていた蔦重に、平賀源内さんが紹介した先、それが須原屋市兵衛でした。
市兵衛は蔦重に、地本問屋組合の内情やのれん分けのことを教えてくれます。
須原屋市兵衛
~『解体新書』など先進的な本を出版した、時代を代表する書物問屋の店主~
日本橋の中心地に店を構え、漢籍や学術書、辞典などを扱う大手本屋の商人でありながら、平賀源内や杉田玄白などが書いた“新しい本”を数多く出版する個性的で革新的な版元(出版人)。
幕府の弾圧を逃れながらも『解体新書』や『三国通覧図説』など“世の中を変える本”を次々と出版する挑戦的な版元であった。
ー NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~ホームページより ー
・・・次回もべらぼう~蔦重栄華乃夢噺~に注目して調査報告をさせていただきます。