風雅の誠を求めて
隅田川テラスには、「大川端芭蕉句選」という句碑が点在しています。
新大橋と清洲橋が望める隅田川のほとりは、俳聖・松尾芭蕉が庵を結んだゆかりの地でもあります。芭蕉は、日本橋から移り住んだこの庵を拠点として、多くの名句や「おくのほそ道」などの紀行文を残しました。
<新大橋 橋上>
元禄6年(1693)に最初に架けられた新大橋。近くに住んでいた芭蕉は、架橋中に「初雪や かけかかりたる 橋の上」の句を、また橋の完成を喜んで「皆出でて 橋を戴く 霜路哉」「ありがたや いただいて踏む 橋の霜」の句を詠みました。
芭蕉の没後、敷地は武家屋敷に取り込まれます。時代は下り大正6年(1917)9月の高潮の後、石の蛙が出土します。その場所に祠が築かれ、現在の芭蕉稲荷神社となっています。
隅田川と小名木川に隣接する芭蕉庵史跡展望庭園には、芭蕉翁像や芭蕉庵のレリーフがあり、往時を偲ぶこともできます。
◆芭蕉稲荷神社
東京都江東区常盤1-3-12
◆芭蕉庵史跡展望庭園
東京都江東区常盤1-1-3
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