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べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~ 異聞 ⑳
  ~ 恋川春町<倉橋格> ~

リモートで、愛する中央区をナビゲートします、rosemary  sea  です。

 

NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)~」第19話、何を感じました?

大田南畝(おおたなんぽ)、名前だけ登場しましたね。桐谷健太さん、お待ちしておりました。

次回20話では実際に登場するはずですから、こちら大田南畝さんは来週ご紹介させていただくつもりです。

 

今回は「恋川春町(こいかわはるまち)<倉橋格(くらはしいたる)>」に注目します。

春町さん、以前から登場していましたが、今回はほぼメインを張っています。

19話では、最初は蔦重のオファーにけんもほろろの春町先生でしたが、ついに蔦重の熱烈勧誘、いいえ蔦重チームの秘密作戦に陥落しましたね。

 

恋川春町は、木挽町狩野派(こびきちょうかのうは)門下の画家・浮世絵師の鳥山石燕(せきえん)の弟子でした。

『中央区に画塾のあった木挽町狩野派門人の弟子』ですから、中央区に遠縁関係あり、としていただきたいです。

それにのちに日本橋大伝馬町、当時の通油町(とおりあぶらちょう)の蔦重の耕書堂で仕事をするのですから当然です。

 

なお、冒頭画像は銀座7-8-14、豊岩稲荷稲荷神社です。ご紹介済です。

⇒ 2021年4月26日「ちょっと気になる中央区の神社④ ~豊岩稲荷神社~ そして祝!600記事達成」

それでは・・・

 

恋川春町<倉橋格>は・・・

恋川春町<倉橋格>は・・・ べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~ 異聞 ⑳
  ~ 恋川春町<倉橋格> ~

画像は銀座4-3-14、宝童稲荷神社です。ご紹介済です。

⇒ 2021年4月28日「ちょっと気になる中央区の神社⑤ ~宝童稲荷神社~」

 

恋川春町

(1744年) ー (1789年)

浮世絵師、狂歌師。

浮世絵師・恋川春町のネームは、小石川春日(かすが)町に住んでいたから、です。

狂歌師としては酒上不埒(さけのうえのふらち)として知られていました。

恋川春町はもともと勝川春章、鳥山石燕門下の浮世絵師でした。

でありながら、『金々先生栄花夢(きんきんせんせいえいがのゆめ)【安永4年・1775年】』という戯作によって、自分でシナリオを作り、自分で絵を描きながら、新しいジャンル「黄表紙」を確立する、ということをやってのけました。

しかしこの黄表紙の濫觴(らんしょう)『金々先生栄花夢』は、蔦重ではなく、鱗形屋孫兵衛(うろこがたやまごべえ)が刊行しています。

まだこの安永4年という時代、蔦重は25歳、駆け出しの鱗形屋の小間使い的立ち位置の業者でしかなかったのです。

春町作品は当時、鱗形屋から12作、独占で出しています。

ですがその鱗形屋の1780年版元廃業に伴い、それからのほとんど全てが蔦重刊になります。

恋川春町という鱗形屋のスター絵師・スター黄表紙作者を、蔦重はそのまま知名度ごと、すんなり受け継いだ、ということです。

黄表紙を創造した恋川春町は1780年に蔦重プロデュースとなりましたが、朋誠堂喜三二(ほうせいどうきさんじ)は1777年から蔦重の仕事を鱗形屋との掛け持ちで始めていました。

春町さん、とても義理堅い人だったのかもしれません。

ただ、鱗形屋ドロップアウト後は朋誠堂喜三二とともに、鱗形屋の黄表紙活動の真髄をそのまま蔦重に伝授していきました。

45歳で亡くなりました。死因は不明です。寛政の改革で咎められ、その奉行呼び出しに応じずの暗闇の死です。

 

なお、春町・喜三二に現れていますように、黄表紙は狂歌師と縁が深いです。

落語が狂歌師から出てきたように、黄表紙も狂歌師から出てきました。

 

参考文献 別冊太陽 日本のこころ89 「蔦屋重三郎の仕事」 平凡社刊

 

金々先生栄花夢(きんきんせんせいえいがのゆめ)

恋川春町作・画の代表作・黄表紙です。

画像は東京都立図書館 デジタルアーカイブでご覧ください。

 

「べらぼう・・・」での倉橋格<恋川春町>は・・・

「べらぼう・・・」での倉橋格<恋川春町>は・・・ べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~ 異聞 ⑳
  ~ 恋川春町<倉橋格> ~

画像は銀座5-9-19、あづま稲荷神社です。ご紹介済です。

⇒ 2021年7月24日「ちょっと気になる中央区の神社⑥ ~あづま稲荷神社~」

 

岡山天音(おかやまあまね)さんが演じています。

映画「キングダム」シリーズでの尾平の役、印象的です。

 

恋川春町<倉橋格>

~ 喜三二の親友で、黄表紙の傑作『金々先生栄花夢(きんきんせんせいえいがのゆめ)』の作者 ~

駿河小島藩に仕える武士。

挿絵も文章も書ける戯作者。

鱗形屋孫兵衛(片岡愛之助さん)から出した、『金々先生栄花夢』は大ヒット。その後に続く黄表紙の先駆けとなる。

本屋の新参者の蔦重(横浜流星さん)とは、親交のあった朋誠堂喜三二(尾美としのりさん)の仲介で知り合う。

蔦重とは次々と作品を出すものの、時代の変わり目で発表した『鸚鵡返文武二道』が、幕府の目に留まり、思わぬ事態となっていく・・・。

ー NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」ホームページ より ー

 

池洲稲荷神社

池洲稲荷神社 べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~ 異聞 ⑳
  ~ 恋川春町<倉橋格> ~

ラストのご紹介で、日本橋堀留町2-4ー10、「池洲神社(いけすじんじゃ:池洲稲荷神社)」が映りましたね。

版元・鱗形屋(うろこがたや)のあった通旅籠町(とおりはたごちょう)、現在の日本橋大伝馬町・日本橋堀留町からの、鱗形屋の出版物にあった池洲稲荷神社のアップでした。

こちらも以前ご紹介させていただきました。

⇒ 2020年4月9日「続々・堀留町の神社 ~池洲神社~」

 

 べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~ 異聞 ⑳
  ~ 恋川春町<倉橋格> ~

画像は銀座8-4-5、八官神社です。ご紹介済です。

⇒ 2021年8月10日「ちょっと気になる中央区の神社⑦ ~八官神社~」

 

・・・NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」、これからも隅まで見渡してご紹介させていただきます。