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べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~ 異聞 21
  ~ 大田南畝<四方赤良> ~

リモートで、愛する中央区をナビゲートします、rosemary  sea  です。

 

NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)~」第20話、出てくる出てくる、登場人物の大渋滞でしたね。

このシリーズ⑱の田沼意次、シリーズ⑧の鶴屋喜右衛門、シリーズ⑤の須原屋市兵衛、シリーズ⑦の西村屋与八、シリーズ⑪の北尾政演(山東京伝)、シリーズ⑳の恋川春町(倉橋格)、それからこれからご紹介したい朋誠堂喜三二、喜多川歌麿、それからそれから「狂歌の会」の場面ではシリーズ⑮の平秩東作、紹介予定の元木網(もとのもくあみ)、智恵内子(ちえのないし)、朱楽菅江(あけらかんこう)、土山宗次郎(つちやまそうじろう)、もう大混乱です。

※ 既登場人物はふりがなをふりませんでした。喜三二、歌麿、プラス新登場人物はいずれ丁寧にご紹介申し上げます。

 

今回は「大田南畝(おおたなんぽ)<四方赤良(よものあから>」について語らせていただきます。こちらも画面では今回初登場です。

大田南畝は蔦重の「耕書堂」より出版、ということは通油町(とおりあぶらちょう)、現在の日本橋大伝馬町に縁あり、です。

 

なお、冒頭画像は新川1-2-14、大栄(だいえい)稲荷神社です。

大栄稲荷神社はこちらでご紹介しています。

⇒ 2021年1月26日「茅場町駅・八丁堀駅周辺の静かな佇まいの神社めぐり① ~大栄稲荷神社~」

それでは・・・

 

大田南畝<四方赤良>は・・・

大田南畝<四方赤良>は・・・ べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~ 異聞 21
  ~ 大田南畝<四方赤良> ~

画像は新川1-8-17、新川大神宮です。

新川大神宮はこちらでご紹介しています。

⇒ 2021年1月28日「茅場町駅・八丁堀駅周辺の静かな佇まいの神社めぐり② ~新川大神宮~」

 

大田南畝(蜀山人【しょくさんじん】)狂歌師としては四方赤良

寛延2年(1749年)、江戸牛込仲御徒町(うしごめなかおかちまち)で生まれました。

父は幕府の御徒、いわゆる御家人であり、最下級の幕臣、ということになります。

彼も御家人になりましたが、最後までほとんど栄進しませんでした。

明和4年(1767年)、平賀源内(※1)のすすめにより19歳で『寝惚(ねぼけ)先生文集』という狂詩文を書き、一躍文名をあげました。

そしてたちまち江戸戯文学界の帝王の座を占めることとなります。

ですが田沼意次(※2)の失脚により、身をちぢめるように生きるよう、またただの下級官吏に戻ります。

竹橋の文書蔵で毎日資料編集の日々、詠んだ狂歌は、

  五月雨の 日もたけ橋の 反古しらべ

   今日もふる帳 あすもふる帳

パトロン的存在の土山宗次郎(※3)が、横領の罪で捕らえられ処刑されたことも響きました。

 

南畝は松平定信の「寛政の改革」には批判的でした。彼の狂歌には、

  世の中に 蚊ほどうるさき ものはなし

   ぶんぶといふて 夜もねられず

ぶんぶ=文武、寛政の改革で武士に対して過度に学問・武芸を奨励したことを皮肉っています。

このように詠んでいるようですから、お上からはにらまれます。

文政6年(1823年)死去。

 

蔦重が狂歌師最大のネットワーカー・大田南畝と出会うのは、恋川春町(※4)や朋誠堂喜三二(※5)が鱗形屋(※6)から蔦重の耕書堂に移ってすぐの、1781年のこと。

朱楽菅江(※7)も一緒でした。3人とも吉原で遊びました。

南畝と菅江はもっとも親しく、ともに幕臣、つまり国家公務員として同僚。

次に蔦重が南畝と出会うのは、1782年。

前の晩、幕臣・土山宗次郎の招待で吉原・大文字屋に泊まった南畝は次の日、菅江とともに大門口の蔦屋に寄って宴会をしました。

天明狂歌の集まりは、南畝を中心としていました。

蔦重も次第に狂歌連の中で重要な存在になっていきました。

ちなみに蔦重と南畝は1歳違い、同世代でした。

 

※1 平賀源内(ひらがげんない)、シリーズ⑩でご紹介済。

※2 田沼意次(たぬまおきつぐ)、シリーズ⑱でご紹介済。

※3 土山宗次郎(つちやまそうじろう)、次回シリーズNO.22でご紹介予定。

※4 恋川春町(こいかわはるまち)、シリーズで⑳ご紹介済。

※5 朋誠堂喜三二(ほうせいどうきさんじ)、今後ご紹介予定。

※6 鱗形屋=鱗形屋孫兵衛(うろこがたやまごべえ)、シリーズ②でご紹介済。

※7 朱楽菅江(あけらかんこう)、こちらも今後ご紹介予定。

 

参考文献 別冊太陽89 「蔦屋重三郎の仕事」 平凡社刊

     「田沼意次の時代」 大石慎三郎:著 岩波書店刊

 

「べらぼう・・・」での大田南畝<四方赤良>は・・・

「べらぼう・・・」での大田南畝<四方赤良>は・・・ べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~ 異聞 21
  ~ 大田南畝<四方赤良> ~

画像は新川2-15-14、新川金刀比羅(しんかわことひら)神社です。

新川金刀比羅神社はこちらでご紹介しています。

⇒ 2021年2月3日「茅場町駅・八丁堀駅周辺の静かな佇まいの神社めぐり④ ~新川金刀比羅神社~」

 

桐谷健太(きりたにけんた)さんが演じています。昨年OAの「院内警察」、とても面白かったです。

ロズマリのエキストラ仲間であり大親友のIさんは、以前桐谷さんにお会いしたそうです。

桐谷さんの印象は「デカい」、「ワイルド」、とのこと。

※ 「Iさんコメント」は来週も載せさせていただきます。

 

大田南畝<四方赤良>

~ 幕臣にして、江戸隋一の文化人、天明狂歌のスター ~

牛込の御徒組屋敷で育った幕臣。

十代で出した狂詩集『寝惚先生文集』で一躍その名をとどろかせ、その後「四方赤良」という狂名で、天明狂歌をけん引する存在となる。

批評家、戯作者など多彩な一面も持ち合わせ、蔦重(横浜流星さん)とは、南畝が書いた黄表紙評判記『菊寿草』をきっかけに、交流がスタートする。

無類の酒好きでもある。

ー NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」ホームページ より ー

 

・・・NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」、様々な登場人物の合間を縫って、今後も多くの人物のご紹介を繰り返したいと思います。